実力よりも評判を
高めることがまず重要

小室 現在会長をされている日本証券業協会についても、ぜひおうかがいしたいと思います。協会の働き方について、どんな課題があると思われ、今後どうされる予定でしょうか?

鈴木 協会は、残業自体はそんなにありません。ただ、有休や男性の育休取得がまだまだなので、推進していこうと考えています。一度退職しても戻れる制度や、配偶者が転勤になっても支店で働くことができる制度も整えるつもりです。

小室 働き続けられるような制度ですね。

鈴木 人事の担当と話をする限り、みんな一生懸命にやっていると思います。ただ、みんな真面目で、周りからどう見られているかを重視していません。大和証券で私は「大事なのは実力ではなくて、評価だ」と言っていました。

 日本人は、評価が高くなったらその評価に追いつこうと自ら努力をします。逆に評価が低いと努力をしない。だから、今の実力よりレピュテーション(評判)を高くするほうが重要なんです。そこに力を入れていきたいですね。

小室 もう1つ大きな話として、2019年の春に労働基準法の改定が行われると見込まれています。労基法はどうあるべきだと思われますか?

鈴木 個人的には、法律で何もかも規制するのは疑問です。経営はある程度自由が望ましいし、最終的にあるべき姿から外れた会社は存続しないですから。

 ただし、今トップにいる人たちは、無茶苦茶な働き方をして、会社を大きくして、出世してきたというのも事実。それがDNAに刻まれているから、法規制しないとうまく行かない部分もあるだろうな、と思います。

小室 おっしゃる通り、規制ではなく競争による淘汰で、早く本来の姿になれたらいいんですけど、その途中段階にある現状は、働き方で人が死んでしまいかねないレベルなので、規制する必要がありますね……。