本来、日本のカレーの素となるスパイスの多くは中国でも使用されており、カレー味の料理は存在していた。これが、これまでの日式カレー導入期においてプラスに働いたことは間違いない。

 一方、ラーメンが豚骨ラーメン一辺倒であるのと同様、日本にあるさまざまなカレーのバリエーションを、中国で広げていくことはなかなか難しい。

 妨げとなっているのは、「コク」や「深み」に対し、理解は示すものの、その価値を価格にONできないという現状である。

 中国人の味覚や価値観も変わりつつあるとはいえ、まずは都市部を中心にニッチ市場で展開するのが賢明ではないだろうか。

 そのほか、イタリアンやフレンチなど外国料理業態はどうなのであろうか。

 厳しい言い方だが、多くの中国人にとって既に日本は憧れの国ではない。日本人同様、中国でも外国料理に求めるキーワードは「本格的」あるいは「○○人に合わせた」の2つである。

 中国であれば、後者の○○人に当たるのは当然中国人であり、日本人ではない。即ち、中国人にとって、日本風の外国料理は偽物の「なんちゃって外国料理」であり、そこに「価値」を見出させるのは容易ではない。