断捨離したら念願のマイホームが手に入った

もともと主婦雑誌が大好きで、片っ端から読みあさっていた知華さん(仮名)。

主婦になってからは、節約に没頭します。全てはマイホームを買うため。

「今日は3割引だからまとめて買っておこう」「ポイントが多くつくからなるべく雨の日に買い物に行こう」……と、時間と労力をかけ、「すぐには必要ないけれど、いつか必要になるもの」を安く買い溜めする日々。

なぜなら、それが“デキる主婦”の姿だと思い込んでいたから。

そんな知華さんが、断捨離に出会って最も衝撃を受けたのが、自分がこれまで頑張ってきたと思い込んでいた、お金の使い方に関すること。

断捨離では、「気に入った商品を売っている方には、むしろたくさん支払うくらいの心意気で」という発想をします。

例えば、ポイントを貯めてわずかな粗品をもらうくらいなら、むしろささやかでもお店に還元しよう、という姿勢です。

知華さんは、数十円の割引にこだわるのではなく、今の自分に必要かどうかが肝心だと気づきました。

そこで、ポイントカードを全て破棄して、「欲しいのはポイントではなく、商品だ」と買い物の軸をはっきりさせたのです。

また、「食費を削るより、おいしい野菜を丹誠込めて作っている生産者の方に気持ちよくお金を払おう」と考え方を変えました。

そうすることで食文化の素晴らしさに気づき、徐々に穀物菜食になり、食費も大幅ダウン。

油を使う料理が減ったことで食器も水洗いで済むようになり、洗剤代も節約できました。

これをきっかけに、日々生活するのに、それほどたくさんのモノは必要ないと実感。

ワードローブ、チェスト、カウンター、鏡2点、洋服30着を一気に処分し、段ボール3箱分の高価な海外のインテリア本を図書館に寄付しました。

その上で、手許に残したインテリアの本や雑誌から、キッチン、バス、トイレの好きな写真を切り抜きながら理想の家のイメージをノートにまとめていた矢先、夫から「物件を見に行こう」と言われたのです。

そして、1ヵ月後には、何気なく手帳に書き留めていた条件をほぼクリアする物件を購入することができ、イメージノートに近いデザインのリフォームもできました、と全く夢のような話。

「光と風を感じられる家」―が知華さんの理想の家でした。

そして今、山が見える! 夕陽が見える! 潮風を感じる!

毎日が気持ちよくて、お日様のいい匂いのする衣服や寝具に触れるたび、幸せを実感しているそうです。

知華さんが断捨離で手に入れたのは、念願のマイホームだったのです。