自分にも他者にも「素直」になれる

また、「今」の「自分」と生きた関係性のモノに絞り込むことは、「ココロと物理世界のすり合わせ」とも表現できます。

それは一体どういうことか考察してみます。

モノは、「カタチある動かない存在=物体」としてそこに留まります。

しかし私たちのココロは、「いつか、そのうち」「あの頃はよかった」などと、未来へ、過去へとせわしなく行き来しています。

そこにカタチはありませんが、そうした思いの証拠として、手に入れたモノの集積が目の前にあるのです。

いつか無くなったら困る不安の象徴である過剰なストック品や、かつての輝かしい栄光グッズなどです。

しかも、それらの“証拠品”を目にすることが日常化すれば、私たちは余計に「今」を見失うことになります。

目の前に物理的にあり続けて、私たちの意識・無意識に作用し、「今」を生きていいはずの私たちをますます阻害するのです。

だからこそ、「今」の「自分」と生きた関係性のモノに絞り込むことで、私たちが「今を生きる」ことを応援する環境が整い、成功の3原則にも近づいていくのです。

とはいえ、人によって成功の価値観は違います。お金持ちになることが成功なのか、有名になることが成功なのか。

何をもって“成功”とするかは人それぞれ。

しかし、どの成功者にも共通するのは「人間関係という財産」を得ている、ということではないでしょうか。

私自身、「断捨離のおかげで、人間関係という大きな財産を積み上げている」という実感があります。

また、最大の内面的な変化は、自分に対しても他者に対しても「素直」でいられるようになったことです。

これは口で言うのは簡単ですが、とても難しいこと。

それはまさに、住まいにはびこる「不要・不適・不快」なモノを取り除き、「要・適・快」なモノに絞り込んだ状態です。

結果的に「家中、どこを見せても、また見られても大丈夫」な自分でいることは、想像以上に自信に繋がることでした。

自宅を訪れる方からは、よく、「本当にどこを開けてもキレイなんですね!」と驚かれます。

自分としては、断捨離を伝える立場として、ごく当たり前のことをしている、という意識ですが、これはなかなか普通ではあり得ないことなのでしょう。

けれど何より、私にとって断捨離は、面倒な片づけという家事労働ではなく、「快」を伴った住まいのメンテナンスであり、人生をごきげんに生きていくためのケアツールなのですから、ごく自然なことでもあるのです。