内的世界と外的世界がリンクする
こうして自分の思考・感覚・感性に素直になれると、他者に対しても裏表なく自己開示できるようになっていきます。
つまり、自分を自然に出せるようになる。
すると、相手も私に対して警戒心を抱かなくなります。
そうしていくうちに、「いい出逢い」が加速度的に増えてきました。
では、「いい出逢い」とはどういうものでしょうか?
それは、仏教の言葉、「啐啄同時(そったくどうじ)」を思わせるものです。
鶏の雛が卵から産まれ出ようとする時、雛が中から殻をつついて音をたてることを「啐」と言い、この時に親鳥がすかさず外から殻をつついて破ることを「啄」と言います。
この「啐」と「啄」が同時であってはじめて、殻が破れて雛が産まれるのです。
これになぞらえて「啐啄」とは、今まさに悟りを得ようとしている弟子に、師匠がすかさず教えを与えて、悟りの境地に導くことを意味します。
私が雛だとしたら、これまでの数々の出会いは親鳥のようです。
私が殻を破って出たいと思っている時に、絶妙なタイミングで外側からの応援が現れる、というような。
つまり、モノの断捨離を通じて「今に生きる」「結局は自分」「与える」という3要素を実践していくうちに、自分の内側で起きている変化と外側での出会いが、不思議とリンクすることがどんどんと増えていったのです。
「啐啄同時」を重要視する整体の世界では、これを「機・度・間」とも言います。
・機…機会、タイミング
・度…度合い、力加減
・間…間合い、リズム感
優れた整体師は、相手のカラダが欲する「機・度・間」を的確に捉えます。
私の人生においても、断捨離を通じて「機・度・間」がどんどん的確さを増しています。
内的世界と外的世界の歯車がピタッと噛み合ってくるような感覚です。