労働新聞より

米朝首脳会談実現へ
態度を変えた北朝鮮の狙いは?

 韓国特使団の平壌訪問を受け、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は米国と非核化を前提にした話し合いの用意があるとの態度を示した。それを受けて、米国のトランプ大統領は北朝鮮の金委員長との首脳会談に合意し、前向きな姿勢を見せている。米朝首脳会談が実現すれば、北朝鮮は全米を射程に入れたICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発をやめ、対話によって事態の改善を目指す可能性があるかもしれない。

 3月5日の南北朝鮮の協議の中で、北朝鮮は韓国との対話が続く間は核実験・ミサイル発射を自粛する考えも示した。こうした報道を考えると、核兵器という脅威を世界に示し、独裁体制の存続を追求してきた北朝鮮の考えは後退しているようにも見える。

 ただ、金委員長の言葉を額面通り受け取ることはできない。これまでにも北朝鮮は方針変更の姿勢を示しながら、秘密裏に核開発を進めてきた経緯がある。態度を変えたように見せたことは、海外からの圧力をかわし時間を稼ぐためだった。

 金委員長とすれば、中国との関係修復による国家体制の安定、核兵器の開発のための時間確保である。今回も北朝鮮がこれまで同様、方針転換を仄めかして関係各国をだます可能性は無視できない。

 北朝鮮の真意を探りながら、北朝鮮国内の核施設の査察などのチャンスを生かすことを考えるべきだ。その場合、一つの障害になるのは、北朝鮮に対して過度な友好政策を取る韓国の文政権になるかもしれない。金委員長の狙いもその辺にありそうだ。

スタンスを転換した
北朝鮮の真意

 これまで北朝鮮は、核攻撃力を確立し、米国から金王朝の体制維持などに関する譲歩を取り付けようとしてきた。今回の金委員長のスタンスは、対話重視のものへ変わる可能性を示唆している。