中国国家主席の任期撤廃で習近平は「独裁者」になるのかPhoto:REUTERS/AFLO

全人代で憲法改正審議
国家主席任期の撤廃が焦点

 3月5日、中国で第19回党大会以後の全国人民代表大会(全人代)が開幕した。

 李克強・国務院総理は、「政府活動報告」(以下、報告)を読み上げ、今年の中国の経済・社会発展の道筋を示した。この「報告」は、全般的に第19回党大会の基調に基づいて作られており、第19回党大会が掲げた「現代化経済体系の構築」「人民の獲得感を強める」といった目標を達成するための具体的措置が示されていた。

 また、「報告」の随所に習近平・国家主席の名前が登場し、経済・社会の発展措置も党が強力なリーダーシップを取って行っていくことを明確にしていた。

 今回の全人代では憲法改正も審議され、修正案にあった「国家主席・副主席の任期は2年を超えない」という規定が撤廃された。この規定撤廃は、習近平が党総書記引退後も中国の政治に影響力を行使することに道を開くため、習の「独裁強化」だという見方も出ている。習近平は独裁強化を目指すのか、目指すとしたらそれはなぜか、今後はどんな展開になるかを考えてみたい。