習近平は国家主席「終身制回帰」への懸念や不安にどう応えるか

改正憲法の施行を受けた今
“習近平終身国家主席”が誕生!?

 現在、北京では1年に一度の“両会”(全国人民代表大会&全国政治協商会議)が開かれている。今年は例年よりも若干長く、前者の全人代は3月20日まで開かれる。

 全国政治協商会議は数日早めの見込みであるが、国家主席・副主席、中央軍事委員会主席、全国人民代表大会委員長・副委員長、国務院総理・副総理・国務委員・各部長、最高人民法院院長、中国人民銀行総裁といった習近平第2次政権を形成する要職の人事は、今週土曜日から来週月曜日にかけて発表されることになる見込みだ。

 そして、最終日に当たる3月20日(火曜日)、国家主席と全人代委員長が談話を発表して“両会”は閉幕する。その後、例年同様、国務院総理が副総理を引き連れて記者会見を行うのが予定である。この会見が“両会”における実質的な最終イベントということになる。

 これらの模様は次回コラムでじっくりレビュー・検証することにする。

 前回コラムで『「中国国家主席の任期撤廃」で習近平政権はいつまで続くか』を扱ったが、11日の日曜日、国家主席・副主席の1期5年、2期までという任期撤廃を含む憲法改正案が正式に可決され、即日公布、施行されることとなった。

 憲法改正には3分の2以上の賛成が必要と決められているが、無記名投票で2964人が投票し、賛成2958票、反対2票、棄権3票、無効票1票という結果であった。

 国家の命運に関わるほどの大事をめぐる審議であり投票である。しかも、今回の改正をめぐっては拙速感や“ブラックボックス”感が否めない。改正案が公表されてから“投票”するまでたった半月の時間しか設けられなかった。

 これに反発や抵抗を心のなかで感ずる人間は官民を問わず少なくなかったであろう。故に、投票の現場で「もしかしたら」という思いもあったが、結果はこのようになった。個人的には、習近平政権の“真相”を改めて垣間見た思いである。