ワンセグ携帯は受信設備?
判断はいまだに分かれたまま

 また、今回の裁判では、いつから契約が発生するのかという問題も争われた。NHK側は、『NHKが契約者に対し、申し込んだ時点で契約は成立する』と訴えたが、これに対し最高裁は、『申し込みと承諾が必要』と判断したというが、これはどういうことなのだろうか。

「簡単に言うと、テレビなど受信設備を持っている人が承諾した時点で、はじめて契約が成立するということです。これだけなら今までと変わらないのですが、判決が出たことによって、今後は支払いを拒否する人に対してNHK側は勝訴の確定判決を得ることで、契約を成立させることができるようになりました。受信設備を持っている人は、恐らく争いようがないでしょう。受信設備を設置した月以降の受信料を支払うことが決定されます」

 今回の裁判で、被告人男性がNHKから、06年のからの受信料を請求されたのは、この考えに基づくもの。一方で、最高裁は「NHKは受信契約の締結に理解が得られるように努めることが望ましい」という趣旨のことも言っている。つまり、契約に応じてもらえなければ即訴訟、という強硬手段ではなく、ちゃんと話し合えということだ。まだ当面は、NHKがむやみに訴訟を起こすことはないだろうと言える。

 ただし、これですべてが決まったわけではない。放送法に関してはまだ曖昧な部分が多々あると高畑氏は言う。

「たとえば、ワンセグケータイが、放送法でいう受信設備の設置にあたるのかということについては、いまだに裁判例が分かれています。水戸地裁、千葉地裁松戸支部などはいずれもワンセグにも支払い義務を認めていますが、埼玉地裁では違った判断が出されています。このあたりも今後明確になっていくのではないでしょうか。そのほかのスマホやパソコンも、テレビを受信できる状態になっていれば、ワンセグケータイと同様な問題が生じるでしょう」