辻氏 そもそも、DMCAの制度が立ち上がってからもうすぐ20年にもなるため、現状と則さない部分があります。たとえば、非常に容易にアクセスできる著作権侵害コンテンツが、大量にインターネットにあふれており、グーグルだけでも毎日膨大な量のDMCA申請が寄せられるようになりました。そこにつけこんだ悪用も散見されるようになっています。

 そしてグーグルやツイッターといったグローバルなプラットフォームを使うにあたっては、アメリカの法律であるDMCAが日本のユーザーにも大きな影響を及ぼします。しかし、もし問題が生じても、海外の法律であるため、日本から改正などの動きを起こせるものではなく、根本的な対応は困難です。

福井弁護士 大手のプラットフォームは、申請を受けるとかなり機械的に削除を行います。その結果、本来は問題のないコンテンツが、悪意の通報によって削除されてしまうケースもあります。彼らはまさに億単位のコンテンツや投稿を扱いますから、従来のクレームのような個別処理は到底できず、必然的に大量・機械的処理となり、悪用もされやすいのでしょう。

 特に、ツイッターなどは、侵害を繰り返す悪質なアカウントを凍結する仕組みを構築しています。そのため、今回報道されるように誰かが嫌がらせで虚偽通知を続けるだけで、何十万というフォロワーを持つアカウントですら一発凍結されかねません。無論、これは業務妨害などの犯罪にもあたる行為ですから、ツイッター社は虚偽通知の主への刑事告訴など、厳正な対処も検討すべきでしょう。

――今後、インターネットを守るためにはどのような仕組みがあるべきでしょうか。たとえば、検索エンジン・SNSなどのプラットフォーム企業や、悪意のあるDMCAの申し立てを受けた企業がとることができる対策はありますか。

福井弁護士  DMCAでは上記のように異議申し立てをすればコンテンツは復活するルールなので、被害を受けた企業や個人は、「著作権に関するポリシー」などのページを参考に落ち着いて対処することが重要でしょう。埒が明かない場合には専門の弁護士などへの相談です。