京都市のクリニックでSHSとの診察を受け、「入ることのできる教室での個別指導や一時的な転校などの配慮も必要と考える」との意見がついた診断書を提出した。

 そこで始まったのが、グラウンドの片隅での個別指導だ。

 最初は、スクールサポーターが指導し、先生は時間の空いたときに見てくれるだけ。担任の先生に1週間も会わないこともあった。しかもスクールサポーターの派遣は予算の関係で昨年末に打ち切られ、今年1月からいまの態勢になった。

授業参観日のあと登校不能に
引きこもりが1年4ヵ月

 南関東のある市の市立小6年の貴(=たかし、仮名、12歳)くんは、香害が原因で学校に行けなくなった。

 化学物質に敏感な体質で、両親も軽いMCS症状があり、無垢材と漆喰で新築した自然住宅で、幼稚園年長組のころから暮らしている。

 異変が起きたのは小2のときだった。

 給食当番が着る給食着のニオイが気になるようになり、給食着がくさくて給食が食べられないこともあった。給食着は当番の子が週末に持ち帰って洗濯し、翌週の当番に引継ぐのだが、香りが長続きする高残香型柔軟剤を使う家庭が少なくないのだ。

 そのころから、帰宅した貴くんの衣服に、柔軟剤臭がべったり残るようになった。小5になると、体がいつもだるく、朝、なかなか起きられないようになった。帰宅すると、すぐに横たわってしまう。

 そんな体調で迎えた4月下旬の授業参観日。教室内は子どもたちと参観する父母たちでいっぱいになり、柔軟剤のニオイが立ち込めた。

 母の真帆さん(仮名)は活性炭マスクをして参加していたが、頭がくらくらし、壁を支えにやっと立っているほどだった。

 貴くんはその日を境に登校できなくなった。