その回数は要介護ごとに異なる。要介護1は27回、要介護2は34回、要介護3は43回、要介護4は38回、要介護5は31回とした。

 これらの回数は、全国的な平均利用回数をベースに算定したという。いずれも「利用者の自立支援・重度化防止の観点から」という説明が付けられている。

 現実に月90回以上の訪問を受けているのは、軽度の認知症がある一人暮らしの高齢者が多く、3度の食事とその後の服薬管理について介助を必要としている。

 東京都足立区の91歳の女性と96歳の男性は共に認知症はあるが1人で生活している。月90回のヘルパー訪問もあったが、今では月70回ほどに減っている。それでも今回の上限を上回る。ヘルパーの業務は食事と服薬介助。男性は歩行が難しく車いす生活で要介護4だ。

 千葉県君津市の80歳代の女性も認知症の診断を受けている。それでも3度の食事と見守りや服薬の確認をヘルパーにしてもらうことで1人暮らしの生活を維持できている。

 いずれも保険者の市区は、このケアプランを「適切」としている。こうした事例は多く、厚労省の調べでも月90回以上の訪問介護を受けているケアプランを調べたが、「48件のうち46件は適正なプランだった」としている。それでも、厚労省は「利用の上限」と受け取られかねない回数を明示した。

 ただ、厚労省は「ケアプランを検証する地域ケア会議は、サービスの制限をするのが目的ではない。地域ケア会議からプラン変更の助言を受けても、すぐに直さねばいけないものではない。修正を強要しない」と、やや腰の引け気味な説明をしている。

 とはいえ、ケアマネジャーにとって「ケアプランの届け出の義務付け」は、相当の「圧力」になるのは間違いないだろう。そして自己規制に走るかもしれない。回数の上限を上回らないように、書き直す可能性がある。