小沢一郎民主党幹事長の続投が決まり、枝野幸男氏が行政刷新担当相として新たに入閣した。
今後は、経済、財政、改革など内政の主要課題は、菅、仙谷、枝野の3人によって仕切られることになった。
この3氏の三頭体制は、現在の民主党で望み得る最強の布陣と言ってもよい。特に、公務員制度改革については大きな成果が期待できる。
しかし、新たな暗雲も生じている。それを取り除くことができるかどうかが3氏の活躍の成否を決めることになる。それを取り除くのは、もちろん鳩山由紀夫首相の役割だ。
“鳩山・小沢会談”で表面化した
両者の距離感と不信感
最近、「鳩山首相は小沢幹事長に距離を置き始めている」とさまざまに報じられている。
それは、小沢続投と枝野入閣を決めた“鳩山・小沢会談”で表面化した。
この会談をめぐって、小沢氏は首相に強い不信感を抱いたに違いない。
ひとつは、小沢続投と引き換えのように枝野入閣を決めたこと。
小沢氏にすれば、首相が続投を認めるかどうかだけが、唯一弱い瞬間だ。その瞬間を突いて、枝野氏の入閣を持ち出した政治手法はかなりの不信感を抱かせただろう。
さらに、小沢氏が記者会見で、首相から幹事長として今後も「頑張ってください」と言われたと述べたことに対して、それを首相は公然と否定した。
これでは小沢氏がウソを言ったことになる。
首相は小沢氏を「同志として信じている」と言ってきたのだから、世間に向かって言う前に、小沢氏本人に直接言うべきだっただろう。“友愛”はどこに行ったのかと言いたくなる。