実際に、このような事例がある。サービス業の社員の面接で、「接客が好きです!」「お客様にありがとうと言われる仕事がしたいです!」と答える人は、意外と長続きしないというのだ。

 サービス業はたしかにお客様から「ありがとう」と言われる仕事だが、もちろんそれだけでない。最後に「ありがとう」と言ってもらえるまでに、きつい仕事、汚い仕事、クレーム対応と華やかでおもしろくない仕事がほとんどだからである。仕事は、決して外から見える部分だけで成り立っているわけではないのだ。

 まさにそれを表すような言葉を、私は会社員時代に上司からよく言われていた。それは、「仕事は段取り9割。成果は1割」。

 9割の地味な仕事を一つひとつ積み重ねていくことで、初めて1割の成果にたどり着けるということである。

 その上司は、そこにもう一言加えたという。

「9割のつまらない仕事をきっちり積み上げることができたならば、1割の成果に対する喜びは10割をはるかに超える。それが仕事の楽しさなんだ」

 その喜びを味わうためには、まずは仕事への幻想を捨て、現実をきちんと見つめる必要がある。地味な仕事を積み重ねていく中で、ふと「あ、楽しいかも」と感じることができれば儲けもの、ぐらいに考えると仕事への向き合い方も変わってくるかもしれない。

「なんでもやります!」が言えるかどうかで
仕事人生が決まる

「皆さんは、まだ会社の色に染まっていない。だからこそ、私たちにはない新鮮な視点で、会社の課題や疑問などをどんどん言ってください!」

 入社したばかりや若手社員の頃、教育担当者や先輩社員にこんなことを言われたことはないだろうか。