学生生活を卒業し、春から社会人生活がスタートする新入社員の皆さんに、今知っておくと入社後に大きな差がつく「仕事の基本」を、『入社1年目の教科書』著者の岩瀬大輔氏が解説します。
今回は、できる新入社員だけが密かに実践している「つまらない仕事」を面白くするコツを紹介。これができると「あの新人は優秀だ」と評価されることも。(まとめ/編集部)
新入社員は「質」より「スピード」
(撮影/佐久間ナオヒト)
今回は、原則3「つまらない仕事はない」について説明したいと思います。
よく「つまらない仕事」という言い方を耳にします。
とりわけ、新入社員がおこなう仕事は単調なものが多いかもしれません。
しかし、世の中の仕事につまらないものなどないと断言したいです。たとえ単調な仕事だとしても、面白くする方法はいくらでもあります。
その仕事は何のためにやるのか。その意味と目的を知れば、単調な仕事であっても、様々な工夫ができます。
例えば、上司から「これ、コピー1部とってきて」と言われたとします。
自社の2017年春のカタログだとしましょう。16ページのカタログに、付箋が4箇所貼ってあります。
この仕事ひとつとってみても、いろいろな用途が想像できます。
1.上司が自分で読むためのもの
2.お客様に配るためのもの
3.どこかにファイリングしておくためのもの
そこで上司に聞いてみましょう。
「承知しました。コピーは付箋の貼ってあるページだけでよろしいですか?」
「ちなみに、ご自分でご覧になるものですか?」とか。
ストレートに「それは何にお使いですか?」と、目的を聞いてみるのもいいでしょう。
1.上司が自分で読むためのものだった場合
カタログの必要な箇所だけをまとめてコピー1枚にまとめて渡したほうが、一覧しやすいかもしれません。
2.お客様に配るためのものだった場合
1枚目にお客様のお名前や「◯◯社カタログ2017年春号2~9ページ」などと参考元、打ち合わせの日付などを入れた「カバーレター」をつけて、ホチキス止めしたほうがいいかもしれません。
3.部署の営業資料としてファイリングしておくものだった場合
裏表コピーをして、付箋が貼られていた商品をマーカーしてファイルに入れておいたほうがいいかもしれません。
このように、「コピー1部お願い」だけで、様々な工夫ができるのです。
つまり、「何のためにやるか」を一言、事前に聞いておくだけで、付加価値をつけて返せるかもしれないのです。
よく「あの人は優秀だ。1を言うと10返ってくる」というような表現をしますが、まさに「コピーとって」で、1~3のような、目的に応じたアウトプットを返せる人のことです。