マスメディアより口コミの時代
マスメディアへの広告出稿は料金が高いのに比べ、ソーシャルメディアは、ほとんどコストがかからない。時間については、かけようと思えばいくらでもかけられてしまうのだが、基本的に無料で始めることができる。マスメディアほど一度に多くの人にリーチはできないけれど、影響力は強い。
たとえば、ほとんど同じ内容の商品A、B、Cがあったとしよう。
Aは広告で見たことがあり、Bは友達がすすめてくれ、Cは見たことも聞いたこともない商品。あなたならどれを選ぶだろうか?
この場合、ほとんどの人はCを切り捨て、AかBかで迷う。だが、Bを選ぶかどうかは、Bをすすめてくれた友達との関係にもよる。信頼している友達のすすめなら、Bを選ぶという人が多いに違いない。いいことを言うにきまっている広告よりも、友達の口コミのほうが信用できるからだ。
Aの広告を少し変化させてみよう。
マスメディア広告で見たことがあるのではなく、その商品を作っている人と友達になり、その友達が商品を紹介してきた場合を考えてみる。
商品を作っている本人からの紹介なのだから、広告のようなものである。もちろん、見知らぬ人から突然「この商品を作っているんですが、おすすめです」と言われれば不快だろう。それでは単なる「売り込み」である。
しかし、すでに仲良くなっている人からの紹介なら、「どうせ買うなら友達から買いたい」と思うのではないだろうか。その友達から感謝されるし、いっそうつながりを感じられることが、喜びになるからだ。ソーシャルメディアでは、これができる。
近年は、インターネット上での購買行動にも抵抗がなくなっており、欲しいと思ったらリンクをクリックして、すぐに買ってもらうことも可能だ。
マスメディア広告なら、広告を見た人が、店に探しに行ったりインターネット検索をしたりするなど次の行動へ移るのにハードルがあるが、ソーシャルメディアは導線をひきやすい。