「尊敬されたい人」が尊敬されない理由…それ、見透かされてますよ?
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【精神科医が教える】痛い人になりたくなかったら、真っ先に見直すべき“他人軸”の思考癖とは?Photo: Adobe Stock

「いい人に思われたい」は他人軸から生まれる

今日は人によく思われなくたって、別にいいんですよというお話をしたいと思います。

よく「いい人に思われたい」という人がいますが、これは他人軸の考え方です。

他人にどう思われるか、どう評価されるかを気にすること自体が、他人を基準にした価値観に依存している証拠です。

自分軸と他人軸のちがい

本題とは少し逸れますが、「自分軸」と「他人軸」についても簡単に説明しておきますね。

「自分軸」で生きるというのは、自分が納得できることを基準に行動するということです。自分がやりたいことを、自分の意志で選んで実行していく生き方ですね。

一方の「他人軸」とは、他人にどう思われるか、嫌われないかなどを気にして、行動の判断基準を他人に委ねてしまう生き方です。このような生き方を続けると、落ち着かず、不安に振り回されることが多くなります。

「よく思われたい」という気持ちが空回りする理由

「よく思われたい」という思いも、もともとは他人軸の願望です。ですから、それを追いかけ続けると、他人の目を気にしすぎて空回りしがちです。

他人によく思われたい、立派に見られたいという気持ちが強くなりすぎると、自然と自分を責めたり、「自分はまだまだダメだ」と感じるようになってしまうこともあります。

尊敬される人は、尊敬されようとはしていない

では、「よく思われたい」と思うこと自体が悪いのでしょうか? そんなことはありません。

たとえば「自分の信念を持って、それを貫きたい」「何かを成し遂げたい」という気持ちが根っこにあるなら、それはすでに自分軸に変換されている状態です。その場合、「他人によく思われるかどうか」はあくまで副産物のようなものです。

実際、私たちが心から尊敬している人を思い浮かべてみると、彼らは「よく思われたい」と思って行動していたわけではないはずです。

自分らしく、信念を持って生きていたからこそ、結果的に周りの人からよく思われているのです。

「よく思われたい」を目的にすると「痛い人」になることも

他人によく思われたい」と思って行動すると、「媚びているように見える」ことがあります。

また、いい人アピールをとしてしまったり、他人からの評価に必死になってしまったりすることで、逆に敬遠されてしまうこともあるのです。

こうなると本末転倒ですよね。本当によく思われたいのなら、やはり自分のやりたいことを、納得してやっていくことが大切です。

周りの好評価は「目指すもの」ではなく「結果としてついてくるもの」

最後にお伝えしたいのは、周りの好評価というのは「得よう」として得るものではなく、「自分の生き方の結果として得られるもの」だということです。

「自分はこれがやりたい」「こういう人生を送りたい」という信念を持ち、自分の軸で生きている人が、結果として周りからよく思われるのです。

ですから、「よく思われたい」と思ったときは、その気持ちを「自分が本当にやりたいことは何か?」に変換してみてください。

よく思われることは、その生き方が「ちゃんと自分軸で生きられたんだな」と後から確認できる、ひとつの指標として受け止めるといいでしょう。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。