腟トリコモナス症は、非ウイルス性の性感染症としては患者数最多であり、性交渉による感染頻度が高いにもかかわらず、感染症発生動向調査の対象から除外されており、国内の実態は十分に把握できていない。

 また近年、先進国から途上国まで世界的に蔓延しており、2016年には注意喚起を促す論文が発表されたが、日本に限らず、軽視されていることが問題視されている。

 報告では、2012年1月~16年12月に実施されたある臨床検査事業の尿沈渣顕微鏡検査の結果をもとに、「国内の膣トリコモナス症の感染者は、約7万~700万人」と推定されることを明かし、「感染経路を含め、蔓延の実態を評価すべき」と訴えた。

 700万人という数字はかなり多い。

 膣トリコモナス症は、皆が思っている以上に身近な病気といえるだろう。その上、女性が膣トリコモナス症に感染しても、約20~50%は症状が現れない(男性はほとんど症状が出ない)。

 咲子さんは発症してショックを受けていたが、症状が現れないまま、周囲の大切な人たちにうつしまくってしまうほうがもっと怖いのではないだろうか。

家族に言うべきか否か
決心がつかないまま治癒

 さて、咲子さんである。

 婦人科ではただちに膣に薬を挿入してくれて、家で使う薬ももらい、治療は10日で終了したが、医師からは念を押された。