日本型ライドシェアは前途多難!副業運転手は「タクシー会社のバイトと同じ」と識者がぶった斬るワケPhoto:PIXTA

「日本型ライドシェア」がついに解禁されました。特定の条件を満たしたドライバーは、自家用車を使って乗客を送迎し、対価を受け取ることができます。このビジネスは、社会人の副業として「アリ」なのでしょうか。自動車ジャーナリストが徹底考察します。(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)

「日本型ライドシェア」ついに解禁も
実は「条件付き」…

 一般ドライバーが自家用車を使用し、有償で乗客を送迎できる「日本型ライドシェア」が、4月1日から日本でも解禁されました。

 解禁されたといっても、運賃はタクシーと同等で、運行できる区域や時間帯に制限があるなど「条件付き」です。とはいえ、これまで日本で禁止されていたビジネスの規制が緩和されたことは、ライドシェアの発展に向けては大きな一歩だといえます。

「ライドシェア」とは、同じ目的地に向かうドライバーや乗客が、一台のクルマに「相乗り」して移動する仕組みのこと。海外ではタクシーよりもリーズナブルに移動ができるほか、個人同士でマッチングして気軽に移動できるメリットが受け入れられ、急速にサービスが普及してきました。

 一方、これまでの日本では、輸送ビジネスで自家用車を活用し、乗客から運賃を得ることは原則禁止でした。顧客を有償で乗用車に乗せ、目的地まで運ぶには、国土交通省から「一般乗用旅客自動車運送事業」の許可を得る必要があったのです。

 今回のライドシェア解禁に当たっては、その規制が緩和され、「公共の福祉を確保するためやむを得ない場合」かつ「特定の地域・期間」に限って、自家用車の商用利用が可能になりました。

 ただし、歴史が動いたにもかかわらず、世間的にはそこまで大きな話題になっていないようです。「日本型ライドシェア」にはどんな課題があるのでしょうか。また、ビジネスパーソンが「自家用車に客を乗せる」のは副業としてアリなのでしょうか。自動車メーカーで開発エンジニアを務めた経験を持つ、自動車ジャーナリストが考察します。