夏休みは子どもにとってサバイバル?
「子育ちサポーター講座」の挑戦
2018年4月、3回連続の「子育ちサポーター講座」という新しい試みが始まる。主催するのは、大阪市生野区を中心に活動する民間研究会、「生野子育ち社会化研究会」(生野子育ち研究会)だ。
背景には、大阪市の中でも生活保護の利用率が高く、貧困状態にある子どもたちも多いという生野区の事情がある。その事情に、民間の障害者支援・高齢者支援が長年にわたって続いてきた歴史や、空き家・空き室問題を都市農業と組み合わせて解決しようとする試みが重なっている。大阪には、「元・子ども」である青年の引きこもりとその後の生活支援に長年取り組んできた団体もある。また貧困の救済・支援、さらに貧困研究も盛んだ。
様々な関心が、子どもたちに「も」向けられて重なり、「生野子育ち研究会」は2016年に発足した。共有している思いは「親だけに子どもを育てさせない。」だ。
研究会の目的は、「子育ち」の「社会化」、子どもが育つこと・育てることを社会の共同事業とすることだ。メンバーはNPO、市民団体、「子ども食堂」関係者、研究者と幅広い。主に子どもの支援に取り組んできた「大阪子どもの貧困アクショングループ」(NPO法人・CPAO)代表の徳丸ゆき子さんも、2015年の設立準備段階からコアメンバーとして加わっている。私も、メンバーの末席にいる。
もちろん、「親をラクにさせていいのか」という批判もある。また、「親だけに子どもを育てさせない」という思いを実現する方法として「保育園全入化が望ましい」というところで合意が見られたとしても、「どのような保育園がよいのか」というイメージまで一致させるのは簡単ではない。ともあれ、様々な立場や考え方の人々と共に行う公開研究会を含め、「生野子育ち研究会」は数多くの意見交換と方針決定を行ってきた。
4月から始まる「子育ちサポーター講座」の目前のターゲットは、7月からの夏休みだ。
4月からの「子育ちサポーター講座」は、まずはクローズドに、顔の見える関係の中で受講者を募り、6月までの3回の講習・ネットワーキング・マッチングを試行する。目標は、まずは「夏休み」。受講者たちが居住・活動している地域で、その地域の子どもたちの2018年の夏休みを支えることだ。