悩みや相談をもちかけたいならば「あなた限定」

悩みや不安ごとを上司に相談したい…なんてこと、ありますよね。
でも、仕事とは直接関係ない内容の場合、切り出し方に悩みそうです。例えば、歓迎会の予算やお店の選定、席順などは、上司の判断を仰いでおきたいもの。でも、いつも忙しそうな上司を呼び止め

「相談に乗ってくれませんか」

とお願いしたら、「仕事と直接関係ない話はあとで!」と言われてしまいそうです。こういう場合、何と言えばいいでしょうか。

○「こんな相談ができるのは、田中さんだけなんです」

これは、伝え方の技術「あなた限定」を活用したもの。あなただけ特別、と言われると、人はつい動いてしまうもの。「自分だけにしか相談できない」と言われた優越感から、つい話に乗りたくなるのです。お店や席順にも、具体的なアドバイスをくれることでしょう。

休暇の話は、最も上司にしにくい話の一つかもしれないですね。もちろん、誰にでも休暇を取る権利はあるのですが、たとえば繁忙期など会社全体が忙しい時期に「休ませてほしい」とは言い出しにくいもの。まとまった休みであれば、なおさらです。

その際、

「この期間に3日間、夏休みをください」

とストレートに伝えると、「みんな忙しく働いているのに、こんなときに休みを取るなんて」と、白い目で見られてしまいそうです。

では、この伝え方ならばどうでしょう。

○「仕事の進行や業務量を考えてお休みをいただくならば、8月後半と9月前半、どちらのほうがよろしいですか?」

これは、伝え方の技術「選択の自由」を使った伝え方です。AとB、どちらを選んでも自分のメリットになるものを2つ並べて、「どちらがいいですか?」と伝えます。すると相手は、思わずどちらかを選んでしまいます。自分としては、8月でも9月でも休めればいいのですから、どちらが選ばれてもOK。最終的に相手がどちらかを選ぶので、「忙しいときに無理やり休みを取られた感」が軽減するという効果もあります。