まず上司が動かない理由を考える
部下から見ると「絶対こうしたほうがいい」と思うのに、上司が動いてくれないことがよくあります。
例えば、他部門との連携や、他社とのカンファレンスの共催など、メリット・デメリットを比較しても明らかに利益がありそうなのに、のらりくらりと交わされてしまいます。
こちらの経験が乏しかったり、あるいは部下としての配慮が足りなかったりすると、「何で動いてくれないんだ」と不満が募り、どうしても顔や態度に出てしまいがちですが、これは全力で避けるのが賢明です。上司が否定的になって、ろくなことがありません。
さて、上司が動いてくれないとき、ほとんどの場合「動かない理由」があります。
状況を把握し、動かない本質的な原因を理解することが出発点になるのです。
よくある原因の一つ目は、何らかの理由で、その提案が会社の方針、特に社長や引退した会長など、上層部の意向に反しているときです。わかりやすくそう言ってくれればいいのですが、往々にして上司は会社の建前と経営者の本音とのギャップをあまり教えてくれません。部下が右往左往しても、素知らぬ顔のことが多いでしょう。建前に沿って行動しなければならないものの、トップの考えもわかっているので、積極的にはアクションをとらない状況です。動かないことで免責され、もし問題が起きても部下のせいにもできます。
二つ目は、上司が面倒くさいと思っているときです。他の部門との調整も必要だし、うまく行きそうにないし、部下のイニシアティブに対して「面倒なことを言い出すなあ。馬鹿正直にやろうとしなくてもいいのに」と、うるさがっている状況です。