この春、あなたが勤める会社にもたくさんの新入社員が入ってきたことでしょう。しかし、新入社員のうち3割程度が、入社後3年以内に退職すると言われています。シリーズ累計127万部突破のベストセラー『伝え方が9割』の著者、佐々木圭一さんが、新入社員が会社にすんなり溶け込み、イキイキと長く活躍してもらうための「伝え方」を教えてくれました。(構成・伊藤理子)

なぜ、新入社員はやめるのか?

知り合いの話です。自分の部下として、渡辺くんという新人が入ってきました。渡辺くんは器用で要領も良く、すぐに戦力になりそうだったので、期待を込めていろいろな仕事を任せました。渡辺くんも、意欲的に取り組んでくれていると思っていたのですが…。

ある日、渡辺くんが自身のSNSに「俺ばかりに仕事を振ってくるパワハラ上司、腹立つ!!」と投稿していることが発覚。
上司としては、「渡辺くんに早く仕事を覚えて成長してほしい」という気持ちで仕事を振っていたのですが、当の渡辺くんは「なんで俺にだけ」「面倒なことばかり押しつけられている」とネガティブに捉えていたのです。

このように、上司が自分の感覚だけで伝えていては、部下に真意が伝わるはずがありません。新入社員でもわかるような伝え方をする必要がありました。

では、何と伝えればよかったのでしょうか。

○「渡辺くんには、他のみんなよりも早く経験を積んで成長してほしいんだ。この仕事、お願いできる?」

伝え方の技術、「あなた限定」を使った伝え方です。

あなただけ特別…と言われると、人はつい動いてしまうもの。自分だけが選ばれたという優越感から、話に乗って頑張りたくなるのです。
伝えたいことは同じ。しかし、このような伝え方をしていれば、渡辺くんも快く仕事を引き受け、「1日も早く仕事を覚えて成長しよう!」と意欲的に取り組んだことでしょう。さらに言えば、上司のことも「パワハラ上司」ではなく「自分のことを認め、将来までも考えてくれている頼れる上司」と感じたかもしれません。