新人の失敗を上手に「戒める」方法

新入社員がやる気をなくしやすいのは、上司から怒られたときだと言われています。今の若者は怒られることになれていないため、どう注意すればいいのか悩んでいる上司も多いようです。「やる気がないなら帰れ」と言ったら、本当に帰ってしまったなんて話もあるそうで…。

例えば、「報・連・相」(報告、連絡、相談)を全然しない新入社員。今のままでは仕事の進捗状況も、何に悩んで何につまずいているかもわかりませんし、大きなミスを見過ごしてしまう恐れもあります。どのように注意すればいいでしょうか。

「報・連・相くらいちゃんとしろ!」

とストレートに言うと、「叱られてしまった…」と凹み、やる気をなくしてしまうかもしれません。この場合は、次のような伝え方がオススメです。

○「途中経過も報告してくれると、評価しやすいんだ」

お願いに「好きなこと」「喜ぶこと」を入れ込むという、伝え方の技術「相手の好きなこと」を使っています。「評価してもらえる」というのは、新入社員にとって好きなこと。お願いを快く聞き入れてくれるでしょうし、伝えてくれた上司に好感を持つようにもなるでしょう。

メモもとらず、仕事をなかなか覚えない新人にも、イライラさせられるもの。

「メモをとるのが常識だろう!」

などと言いたくなりますが、これは逆効果。「常識」などという言葉を使うと、「そんな常識知らないし!」と心の中で猛反発しているかもしれません。

○「中村くんには期待しているんだ。早く仕事が覚えられるよう、メモを取ってみて」

伝え方の技術「認められたい欲」を使った伝え方です。人は期待されると、嬉しくてその通りの成果を出したくなるもの。「中村くんには期待している」と言われれば、つい嬉しくなって「よし!頑張って早く仕事を覚えよう!」と思いやすいのです。

何度となく簡単なミスを連発する新人にも、雷を落としたくなるもの。

「簡単なミスを繰り返すな!」

と怒鳴りたくなりますが、ここはぐっと我慢。

もっと注意深く業務を進めてもらうために、こういう伝え方をするといいでしょう。

○「せっかく力があるのに、簡単なミスで評価を下げてしまうのはもったいないぞ」

これは、伝え方の技術「嫌いなこと回避」です。強烈な強制力を発揮する「伝え方の最終兵器」で、なかなか動かなかった人をも動かすチカラを持っています。

この場合、「評価を下げるのはもったいない」と言われると、「確かにそうだな」と素直に受け入れやすくなります。「評価を下げる」という嫌いなことを回避しようと、今よりも注意を払って業務を進めるようになるでしょう。さらに「力があるのに」と、「認められたい欲」も刺激しているので、喜んで現状改善に取り組んでくれそうです。