新しい期に変わる春は、新しい事業が立ち上がったり、プロジェクトが発足したりするタイミング。この春から新規事業の責任者を務めることになった、新しいチームのリーダーを任されるようになったという方も多いのでは? シリーズ累計127万部突破のベストセラー『伝え方が9割』の著者、佐々木圭一さんが、強いチームを作るための「伝え方」を教えてくれました。(構成・伊藤理子)

同じ話でも、部下の印象に残せるかは伝え方次第

この春から、新規事業を推進する営業チームのリーダーとなった高橋さん。社運を賭けた難易度の高い案件に挑むために、社内から選りすぐりのメンバーを集めました。

チームの発足ミーティングで、まず全メンバーに自分の熱い思いを伝えたいと考えた高橋さん。目指すは、目標に向けてメンバー全員が一丸となれる、強いチームワーク。そこで、次のように伝えました。

「このチームメンバーは、全員が仲間だから」

熱く伝えたつもりでしたが、部下たちは「仲間って…?」とあまりピンと来ていないようです。

○「誰が敵になっても、このチームは仲間だから」

こちらのほうが、ずっと印象的です。高橋さんの思いが、しっかりと心に残るでしょう。

使ったのは、伝え方の技術「ギャップ法」。「敵」と「仲間」のように、正反対のワードを入れることで、言葉に力強さが加わります。この場合、伝えたいのは「仲間」。その反対の「敵」を前に入れることで、「仲間」という言葉のインパクトがぐんと増すのです。

あのスティーブ・ジョブズも、「常識を変える」という自分の理想をチームに浸透させるため、ギャップ法でこう伝えました。
「海軍に入るくらいなら、海賊になったほうが面白い」

規律を重んじる「海軍」を先に入れることで、やんちゃな「海賊」を強調し、自由な発想で常識を変えることを勧めています。

こうした言葉の技術は、人を引き付ける武器になります。チームを引っ張るリーダーこそ、強い言葉の作り方を知っておくべきなのです。