「年齢制限もなかったし。僕にとって、いちばんできそうな仕事だと思っていたんですけど…」

しかし、面接に行く前の書類選考で落とされた。

「これでダメだったら、もうキツイのかなって…」

 他の2件については、不採用の返事すら来なかった。

「このままでは、家族と共倒れになる。そうなると、テレビでよくやっている“孤立死”が、現実に僕の家族の未来の姿に重なって見えてきて、何とかしなきゃいけないって、ますますあせるんです」

一家の収入は母の年金8万のみ
そして今、キャッシング地獄へ…

 家庭の収入は現在、唯一、母親の年金のみで、月に8万円ほどだ。

 しかし、母親は、3枚のクレジットカードからのキャッシングの返済のため、ここ何日も、次のカードの支払いに追われている状態。支払日に払えなければ、どんどん利子が増えるだけでなく、カード会社の信用情報も悪くなる。

 Aさんの母親は、こう説明する。

「2年くらい前までは、キャッシングの限度額が3枚とも数十万円ずつありました。枠いっぱいに借りれば、3枚で百数十万円借りられたのです。ところが、貸金法の改正によって、融資の限度額が年間収入の3分の1までに制限がついたんです」

 父親はすでに、カードで事故を起こし、借りられない状態にあった。

 大手企業に勤めていた父親は、退職金を先物取引に注ぎ込んだあげく、多大な借金を背負いこんでしまったのだという。

 Aさんの一家は、数年前まで暮らしていた自宅の土地を売却。そのときの貯金を切り崩して、生活してきた。つまり、カードでキャッシングすることもなかったのである。

 ところが、生きていくために必要な生活費が二進も三進もいかなくなり始めたのは、2011年に入ってからのこと。

「カードを使い始めたときは、カード会社も把握できなかったのか、限度額を超えて借りてしまったんです。その後、限度額を超えているとのお知らせが次々に来て、一斉に融資可能額がゼロになってしまいました。いまは、3枚のリボ払い分を返済するだけで、ひいひい状態です。私は国民年金なので、年収はせいぜい90万円。そこから容赦なく健康保険や介護保険料、光熱費なども取られて…。私も、もうくたびれました」