基本的なスタンスは、あなたと意見が対立しているはずです。そういう相手に対して、説得したい一心から一方的に自分の思うことや意見をしゃべているとどうなるか。

 そもそもが聞く耳を持っていない「ノー」の状態ですから、よくて平行線、悪ければ「ノー」の壁が厚くなってしまいます。

 大切なのは、マスターが言うように「しゃべりが上手いか下手か」ではなく「説得したい相手のことを、どれだけ理解しているか」、つまり説得したい相手の話をどれだけ聞いているかです。

 なぜ、相手は自分の意見と対立しているのか? 何が引っかかっているのか? どこが気に入らないのか? 何に悩んでいるのか?

 また、コンサルティングなら、クライアントは困っていること、悩んでいることがあるからこそ、あなたに相談してきているのです。

自然と耳を傾けてくれる関係構築のための「型」

 そこで、より深く話を聞き出すための「型」が大切になります

 相手の言葉の一部を繰り返す『オウム返し(バックトラック)』や、仕草をまねる『ペーシング』が最適です。より深く共感して話を聞いている、というメッセージを相手に伝えることができれば、互いに信頼感も生まれてきます(詳しくは『「聞くだけ」会話術』第2章、第3章をご覧ください)。

 こうして信頼関係を築いて、相手のブロックや抵抗が何なのかを知れば、あとはそれを解き(説き)ほぐす説明をするだけです。激しく熱弁をふるわなくても、相手はあなたの意見に自然と耳を傾けてくれるようになるでしょう

 相手も人間なのですから、感情もあれば意見もあるし、やりたいこと、やりたくないことがあるでしょう。それを聞き出さずに、ただ自分がいいと思う方法論だけを押し付けるのは、説得ではなく「ごり押し」です。

「ヒラヒラしてたいのれんに、シャキッとせいという」というマスターのたとえも、ごり押しだと通るものも通らなくなることを指しているのでしょう。まずは、「ヒラヒラしたい」という「のれん」の気持ちを聞き出すことが大切なのです。

※最終回は、「部下が言うことを聞かない」という相談にお答えします。お楽しみに!


<新刊書籍のご案内>

『話さなくても相手がどんどんしゃべりだす 「聞くだけ」会話術
――気まずい沈黙も味方につける6つのレッスン』

ストーリーで学ぶ、「聞き方」の奥義!
「初対面で自分のことばかりしゃべってしまう」
「気の聞いたことを言おうとして失敗」
「無口な人と何を話せばいいのか・・・」

などなど、「話し方」にまつわる悩みは、
「聞き方」を改善すればすべて解決する!
あるダメ営業マンのストーリーを通して、
「沈黙」すら味方につけてしまう究極の技術を学ぶ
感動の1冊。

ご購入はこちらから! [Amazon.co.jp] [紀伊國屋書店BookWeb] [楽天ブックス]

◆本書の世界観がよくわかる動画、『「聞くだけ」会話術』【予告編】はこちら!


無料セミナーのお知らせ

『話さなくても相手がどんどんしゃべりだす「聞くだけ」会話術』
刊行記念・無料著者セミナー開催!

本コラムの著者、松橋良紀氏による無料セミナーを開催します。
ふるってご参加ください。

日時:2012年4月25日(水)
        19時開演(18時30分会場)20時30分終了予定
会場:東京・原宿 ダイヤモンド社9階 セミナールーム  
      (東京都渋谷区神宮前6-12-17)
料金:無料(事前登録制)
定員:60名(先着順)

その他詳細やお申し込みは、下記リンク先をご参照ください。
【4月25日開催】『「聞くだけ」会話術』刊行記念・無料著者セミナー


『「聞くだけ」会話術』Facebook ページ、オープン!

  最新情報から制作の舞台裏、さらには劇中に登場するマスターの名言まで、幅広くお届けします。
  『「聞くだけ」会話術』応援ページへ