「一生懸命話しているのに、なんでいつも伝わらないんだろう」
「初対面でいつも自分ばっかりしゃべってしまう」
などなど、コミュニケーションで悩むすべての人に向けて、「必要なのは無理にしゃべることではなく、自然と相手が話しだしてしまう聞き方の『型』なんだ」というメッセージを発信している『話さなくても相手がどんどんしゃべりだす「聞くだけ」会話術』。
連載第3回の今回取り上げるお悩みは、ずばり「沈黙恐怖症」について。相手が沈黙した時の「間」に耐えられないという悩みに、果たしていい解決策はあるのか?(取材・文/山根洋士)
「相手が沈黙した時の『間』が恐い」
Q 沈黙が怖くて、自分ばかりしゃべりすぎてしまいます……。
(35歳、男性、住宅会社営業)
住宅販売の仕事をしています。住宅展示場のモデルハウスにお客様がいらっしゃると、お客様を逃がしたくない……、いろいろな情報をお伝えしなければ……、お客様にプレゼンできるのは数分しかない……というふうに焦ってしまって、頭に叩き込んだ家の情報を、休む間もなくしゃべり続けています。
上司に「お前は、しゃべりすぎだ!」といつも注意されています。しかし、自分がしゃべらないと弊社の住宅の良さは理解していただけません。それに何より、ずっと黙ったままお客様とモデルハウスの中を見て回るほど、居心地の悪いことはありません。
実は、私の営業成績は同期の中でも下位クラスです。このままではリストラという文字も頭をかすめます。いったいどうすればいいのでしょうか?
僕もかつては「売れない営業マン」でした。あなたの気持ちは、僕も経験しているので、自分のことのようにわかります。
そして、あなたと、まるっきり同じようなことを僕もしていました。そうです、しゃべりすぎていたのです! それに気づかせてくれた大切な言葉があります。
沈黙が苦手な人は、ちょっと目線を変えて考えてみるといい。自分がどういう時に沈黙するか、沈黙した時に自分が何を考えているのか。沈黙を邪魔された時、自分がどう思うか。それと同じことを相手も感じておるわけじゃ。
— 『Shot Bar ラポール』マスター (@rapport_master) 3月 8, 2012
「沈黙」しているとき、人は何をしているのか?
僕が、自分の営業経験や、数多くの営業マンを指導した経験で気づいた「間違いなく売れない」、「売れそうでも確実に売れなくなる」パターンがあります。しゃべりすぎるのは基本的にダメなのですが、ある特定の場面でしゃべりすぎると100%ダメです。売れない営業マンは、間違いなくこれをやっています。
一体何だと思いますか?