逆に考えると、行政サービスの質が向上すれば、多くの市民がそのメリットをそのまま享受することにもなる。だとすると、地味であっても生活に不可欠な行政サービスに対して、建設的な議論や提言をメディアが行う価値は非常に高い。

メディアの建設的な提言がより良い未来を導く

 残念ながら、現在でも面白おかしく公務員らをバッシングする風潮は根強い。しかし、「お役所仕事」などと公務員を揶揄しても、行政サービスが向上するわけではない。むしろ、必要性の高まる官民連携の流れを遮り、熱意を持った公務員のやる気を奪うことから、最終的には国民全体にマイナスとして跳ね返ってくる。

 国民の民度が低いから、不倫報道、政治家や公務員へのバッシングが終わらないと言われることも多い。つまり、見たい人がいるから、読みたい人がいるから、メディアは少しでも叩ける事象を、面白おかしくバッシングするという論調だ。しかし、本当に日本国民の民度は低いのだろうか。

 本格的な議論で課題を深掘りするBSの報道番組や、インターネット上で動画配信を行う討論型の報道番組が、多くの視聴者を獲得していることは無視できない事実として存在する。

 第4の権力と言われるメディアの力は大きい。落としどころの見えない公権力バッシングではなく、多角的に論点を整理し掘り下げたうえで、建設的な議論や提言を行うことこそが、次の時代におけるメディアのあり方ではないかと思う。社会のさらなる発展を担い、より良い未来を導くことが、言論を司るメディアには可能だと信じている。

(株式会社ホルグ代表取締役社長 加藤年紀)