仮想チームが接着材に
シーメンスの組織改革

 世界大手の独重電メーカーの日本法人、シーメンス・ジャパンでは企業や事業の買収・売却が相次いだ。気付けば、バラバラな法人の集合体という状態で、たこつぼ組織になっていた。

 それを露呈する出来事が起きた。本社のCEOが来日する際、子会社の社長や各事業のトップが勢ぞろいしたが、何とその場で名刺交換を始めたのだ。

 この状況に危機感を抱いたヒューマンリソーシス本部長の星野恭敏氏は、事業部門や法人をごちゃ混ぜにした、通常の仕事とは関係のない「バーチャルチーム」を結成。ここが組織を横断して仕事の成果を出す「コラボレーション」を推進した。

「何を言っても評価に響かない」というお墨付きを与え、管理職約150人を集め、ざっくばらんに語り合ってもらう場を提供。部署ごとにも同じ形式の場を設け、内容を腹に落としてもらい、問題を見つければまたも社員で話し合い、具体的な実行計画をまとめた。

 さらには全員の人事評価にも「コラボレーション」の項目を組み込んだ。管理職に至ってはこれが評価全体の25%を占めるというから驚きだ。

 米大手重電メーカーの日本法人、日本GEも同様で、経営陣が地方の拠点を訪問し公式の話し合いの場を設けているだけでなく、事業部を超えた非公式なネットワークづくりを大事にしている。それも「ボランティア活動」「ウィメンズネットワーク」「バリアフリー」といったテーマでクラブ活動のような集まりだ。