虫食いの葉を探すオプティムの映像解析技術虫食いの葉を探すオプティムの映像解析技術。大豆で得たノウハウをコメや野菜に応用する 写真提供:オプティム

 人工知能(AI)やドローンなどのテクノロジーが、“儲かる農業”の実現に本格的に貢献し始めている。

 ハイテク企業が農家と提携して生産した農産物を高値で販売し、その収益を企業と農家が分け合う「レベニューシェア」が広がっているのだ。

 これまでは、農家が農業機械などに投資しても、必ずしも所得向上にはつながらず、「機械貧乏」という言葉さえあった。

 新たなビジネスモデルでは、農家にドローンなどを提供する企業が機器のレンタルといった“手段”から対価を得るのではなく、農家が育てた農産物の販売額、つまり“結果”から利益を上げる。

 この事業モデルに取り組むのがベンチャー企業、オプティムだ。

 オプティムはドローンを畑の上に飛ばし、AIによる映像解析で虫食いの葉を見つける。そこにピンポイントで農薬を散布して害虫を駆除する。

 2017年に1ヘクタールの畑で行った実証試験では、10分の1以下の農薬使用量で通常の栽培と同量の大豆を収穫できた。

 農薬を極力使わない安全・安心な「スマートえだまめ」として販売したところ、通常の3倍の価格にもかかわらず完売したという。

 農家にとっては農薬代の削減と収入増という二重のうまみがある。