自分磨きのキーワードは「座学、師、修羅場」

 私自身が努力目標としてやってきた、市場価値を高めるために重要なことが3つあります。

 1つ目は、座学です。セミナーや勉強会に行ったり本を読んだりすると、物事の本質や原理原則を体系的に学ぶことができます。自己流や我流で仕事を進めて行くと、ある程度のレベルには到達しても、途中で成長が止まってしまうものなんです。そこで原理原則を学ぶと、さらなる飛躍が望めます。

 2つ目は、人生の師です。「メンター」と呼べるような人を、少なくとも3人つかまえて昵懇(じっこん)になれば、あまり人生を誤ることがありません。いざというときに勇気と知恵を与えてくれるメンターがいれば、たとえ人生で失敗することがあっても、リカバリーショットを打てるんです。

 メンターは、親戚のおじさんかもしれないし、学校の恩師かもしれないし、会社の大先輩かもしれない。人生の蓄積がある、自分より年配の人であることが多いでしょう。

 「ダイヤモンドはダイヤモンドで磨かれ、人は人により磨かれる」という言葉があります。ビジネスパーソンとしての自分の品質を高めたければ、自分より品質の高い人から影響を受けることです。自分の師と呼べる人がいないなら、今からでも探してください。まず「今年中に3人」と決めて、探してみてはどうでしょう。

岩瀬 私自身のことを振り返っても、メンターがいることの意味は非常に大きいと思います。私はメンターと呼べる方が5人くらいいますから、恵まれてきているほうですね。

 人間が悩んでいることというのは、過去に誰かがまったく同じ道を通っているものです。ですから、人生の先輩からのアドバイスは大変勉強になるものです。メンターとなる人を見つけると、いろいろなシーンで助けになるのではないでしょうか。