コネクテッド技術は世界中の自動車メーカーが重要だと認識している。日本メーカーももちろんそう考えており、クルマのネットワーク化については世界で最も早いタイミングで取り組んでいた。

 ホンダ、トヨタは実際に道路を走るクルマの情報をビッグデータとして収集し、渋滞を避ける経路誘導を行うという、いわゆるプローブ方式によるサービスを早期から展開。東日本大震災の際、ホンダがクルマの通行実績から被災地における通行可能な道路を割り出し、物流の回復に大いに貢献したのは有名な話だ。

 しかし今日、日本はコネクテッドについて存在感を示すことができていない。なぜか。

強すぎた日本のカーナビ
世界的な広がりを持つことはついになかった

「日本のカーナビが強すぎたのが一因ではないか。車載用の航法システムはホンダが世界に先駆けて実用化したものですし、GPSを利用した衛星航法ナビはマツダと三菱電機の協業が世界初、経路誘導はトヨタが世界初。クルマにとってナビとはどうあるべきかという雛形は日本が作ったようなものです。しかも都市部の道路インフラが脆弱で、そのうえ渋滞だらけ。日本ではカーナビは高いお金を出して買う価値のあるもので、高機能であればあるほど喜ばれた。それが作る側に『カーナビには普遍的価値がある』という錯覚を抱かせてしまった観がある」(カーナビのアルゴリズム開発を手がけるプログラマ)

 実際、日本のカーナビは世界でもトップクラスの性能、機能を持っている。だが、世界的な広がりを持つことはついになかった。

 海外では日本ほど高機能なカーナビは必要なく、スマホ、ないし低価格なポータブルナビで事足りるとするユーザーがほとんど。自動車メーカーがオプション設定しているナビも一部の高級車を除けば簡易型が主だ。