あなたのそのビジネスマナーは、ただの『ルール』になってしまってはいないだろうか?名刺の出し方、メールの書き方、新入社員研修で教わったことをそのまま続けていては、それはただの儀式だ。仕事のデキるビジネスマンは、マナーをマナーで終わらせない。アメリカン・エキスプレスで、入社2年目で紹介者数トップに輝いたシニアセールスアドバイザーの福島靖氏に話を聞いた。

デキるビジネスマンが
コースターを毎日持参する理由

トップ営業マンは、堅苦しいメールルールよりも、相手に居心地よく過ごしてもらうためのマナーにこだわります。
形骸化したビジネスルールを脱却し、代わりに「いかに相手に居心地よく過ごしてもらえるか」を考え抜く――結果を出すビジネスマンは、堅苦しいルールに盲従したりはしない(写真はイメージです)

 ビジネスの場で、不自然に続く古い慣習は数知れない。名刺を同時に出し、どちらがより下から出すかという不可解な競争、堅苦しく、読むのが面倒になるビジネスメールの挨拶文。それらは本当に必要なマナーなのだろうか?

 福島氏は、これらは「ビジネスマナーではなく、ビジネスルールになってしまっている」と指摘する。

「マナーとは本来、相手を思いやる気持ちから自然と生まれたものだと思います。ところが、いつの間にか“相手”のことを考えるのではなく、いかに自分をよく見せるか、失敗しないでいられるかという部分に重きが置かれ、さらには“みんなやっているから、やろう”という意識になってしまっていると思うんです」(福島氏、以下同)

 100人いれば、そこには、100通りのマナーがある。言ってしまえば、相手がメールよりもSNSのメッセンジャーの方が都合がいいというのならメッセンジャーを使えばいいし、名刺交換が必要ないというのであれば、交換しなくてもいいではないか。相手に合わせる柔軟性こそが、マナーの大事なポイントだという福島氏は、いかに相手に居心地よく過ごしてもらえるかを考えた末、独自のマナーを生み出した。

 その一つが、“コースター”だ。かばんの中に常に複数枚のコースターを所持し、いつでも取り出せるようにしている。それはこんな理由からだった。

「私がアポイントでよく利用する喫茶店は、注文した飲み物にはコースターが付くのですが、その前に出てくるお水には付かないんです。そのため、結露でテーブルが水浸しになり、書類がぬれてしまうこともしばしばありました。どうにかならないかと考えたとき、『自分で持ってくればいいんだ』と思い付いたんです」