小学校では、空いていた多目的室の一部を病・虚弱支援学級の教室に充てることにした。合板のベニヤ板で仕切ってペンキを塗っただけだが、換気扇で24時間換気を続けた結果、マモル君が入室できる状態になったので、新学期の4月6日から通い出した。

 理解ある担任の指導を受けており、マモル君は体調が良いと週に4日間も通学できるようになった。

IT活用し自宅で「遠隔授業」
保護者の同意を得て実現

 もっとも、こうした対応をする教育委員会・学校はまだ少数だ。

 学校が効果的な対応をしてくれないため、保護者がIT機器を利用した「遠隔授業」を提案し、採用されたケースもある。

 大阪市の市立中学1年生・わかなさん(仮名、12歳)は、小学2年のとき校舎建替え工事の影響でMCSを発症し、新校舎に入って重症になり、ほとんど登校できなくなった。

 父の隆文さん(仮名)が学校に配慮を要望したが、「市内では前例がない」などの理由で十分な対応をしてもらえなかった。

 そうした中で、隆文さんが提案したのが遠隔授業だった。

 仕組みは、Wi-FiルーターとWi-Fi接続が可能なiPadをそれぞれ教室と自宅に置き、Skype(スカイプ、インターネット電話)を使って、映像と音声をやりときする――というものだ。

 こうすれば、わかなさんは自宅で授業の様子をそのまま見ることができ、休み時間には級友たちとおしゃべりもできる。教師や友だちとは連絡帳でしかつながっていなかったときとは雲泥の差だ。

 提案を学校側はなかなか受け入れなかったが、小学校の卒業まであと1ヵ月という時期になってようやく実施にこぎつけた。機器は保護者が持ち込むことなどが条件で(前例にはしないという約束)、クラスの保護者からの同意は学校側が得てくれた。