モードを意識しなければ、社会にたいする態度が定まらない。モードは社会に向き合う態度と定義したうえで、服飾史家の中野香織さんはこういいます。ジェントルマンにとって態度(attitude)こそ要諦。時代感覚の見極めも重要。エグゼグティブのための最新モードを紹介します。
ブルゾン 62万2000円、ニット 12万5000円、パンツ 6万1000円、シューズ参考商品(すべてロロ・ピアーナ)
GUCCI(写真右)
ジャケット 29万円、ニット 46万5000円、パンツ 8万5000円、リング 3万8000円、サングラス 5万7000円、靴22万円、バッグ 69万5000円(すべてグッチ)
「モードの自由」といったときの「自由」は、freedom(フリーダム)がふさわしい。フリーダムというのはリバティより、もっと自由な自由で、たとえば「学問の自由Academic freedom」だとか、「言論の自由 Freedom of speech」というときにはフリーダムを使います。昔から何の拘束もない。本当に自由だから、そこには自律が必要、といったイメージです。
何もかも自由だから、そこでどのような方向を目指し、何を選ぶか、すべてその自律にかかっている。暴走しても誰も何もいわないけれど、結果として社会から逸脱していく、という危険もフリーダムには含まれている。社会が暗黙のうちに定めている許容範囲というものがあって、そこが不文律になっているところが怖いわけです。
エグゼグティブのための最新モード01「LORO PIANA」
かろやかなキッド(仔山羊)スエードのブルゾン。デザインのベースはミリタリー。レザーとコントラストをなすリブは、肌触りのよいウールカシミヤを使用。そして裏地はストレッチ素材。着こなしは同系色のニットとシューズに、白いボトムスをあわせて。
エグゼグティブのための最新モード02「GUCCI」
レトロな雰囲気のアイテムが数多く登場する春夏 コレクション。さまざまな時代や文化が入り混ざっているのが特徴的。メタリックレザーやビーズがポイントのウールセーターは、ジャケットスタイルのアクセントに