逃げ回ってうやむやに…
ダメリーダーは企業にも大勢いる

 リーダーは、「自分はそんなことを指示していない」では逃げ切れない。安倍首相を巡る「忖度」が問題になっているように、仮に直接、指示を出していなくても、部下に不適切な行動があれば、日頃の組織運営のまずさを問われて当然だ。

 そして、ひとたび不適切な行動が起きてしまったら、正しく事態を認識して自身の責任を取り、さらに再発防止の取り組みをする意思を持てるかどうかで、将来にわたってリーダーにふさわしいかどうかが分かる。今回の事件は、直後に選手を指導していないこと、謝罪するのみで詳細を明白にしていないことから、内田前監督は、不適切性をきちんと認識しているとは思えない。不適切性を認識していないので、再発防止の意思も当然持っていない。

 アメフトの定期戦で起きたこの問題を分解すると、実は、企業でもよく起こりがちなコアな問題に行き着く。不適切事例が起きたときに問題を放置したり責任の所在を明確にしなかったりして、責任者が謝罪や改善のための行動をしない。部下に責任転嫁した揚げ句、逃げ切れなければ、最後は責任者の辞任や担当者の更迭で幕引きを図る。これでは再発防止はできない。しかし、逃げ回って事をうやむやにすることが処世術だと勘違いしているビジネスパーソンがいかに多いことか。

 不適切性を認識しているか、未然防止の取り組みをする意思があるかどうかを判断するのは、リーダー本人ではない。リーダーの部下たちや、関係する組織外の人たちなのだ。部下や社外から不信感を抱かれれば、メンバーや関係者を巻き込むというリーダーとしての役割を果たすことができない。リーダー自身が「俺はちゃんと対処した」と自画自賛しても、部下や社外から総スカンを食らえば、もはやリーダーとしての役割を果たすことがかなわないのだ。