中国・深セン企業が上海企業を早晩追い抜く日が来る理由2017年、深セン市における会社登記数は55万2223社に上った。1日1513社が誕生する計算だ Photo by Konatsu Himeda

関心高まる深センの上海超え

 中国四大都市の北京・上海・広州・深セン。中国経済を牽引する「一線都市」を表す「北上広深」という略称を目にしたことがある読者も多いだろう。2017年のGDPランキングでは、上海(約3.0兆元)、北京(約2.8兆元)、深セン(約2.2兆元)、広州(2.1兆元)という順だが、最近、中国の人々の間で「深センは上海を超えるか」が関心事の一つになっている。

 上海の経済的な強さについて、在京の上海出身のビジネスパーソンたちは、「大規模な国営企業と外資系企業の集積だ」と口をそろえる。振り返れば1992年の「南巡講話」以降、上海には“腕試し”に挑むチャレンジャーが海外から集まった。

 一方、上海は2000年代の高度経済成長期を経て、2010年には万国博覧会の開催と、成熟社会への移行を図る。こうした過程の中で、「上海市は大規模投資を歓迎し、どこの馬の骨か分からない企業を敬遠するようになった」(東京在住の上海人経営者)ことも見逃せない。