冒険家のピュアな精神をもつアイウエア「サントス ドゥ カルティエ」サントス ドゥ カルティエ(ウォッチ)同様に航空機のリベット留めがモチーフ。そのビスモチーフは、さまざまなシルエットをもつアイウエアにおける目印になっている

写真上/オプティカルフレーム8万3000円、写真中央/サングラス11万4000円、写真下/オプティカルフレーム8万8000円(すべてカルティエ)

 子どもというのは無謀な夢をみるものだ。そして、その夢のほとんどは、叶えられずに消えてゆく。ましてや飛行機の存在しない時代に、鳥のように自由に空を飛んでみたいと夢想することは、大人から一笑に付される類のものにちがいない。

 アルベルト・サントス・デュモンも、そんな無謀な夢をみたひとりだ。ブラジルの大農園に生まれた彼は、その広大な農場の真ん中に立ち、空を舞う鳥を見上げて幼少期を過ごした。18歳でフランスに渡り、莫大な遺産を受け継ぐと、そこから一心不乱に空を目指した。幼き日に抱いた夢は、ヨーロッパで初めて飛行機で空を飛ぶという、歴史的な偉業として結実したのである。

 このサントス・デュモン、世界で初めて腕時計を身に付けた男としても知られている。友人のルイ・カルティエに相談し、飛行中に素早く時刻を確認できる時計をつくらせたのである。カルティエの代表作であるサントス ウォッチは、このエピソードにちなんだもの。航空機のリベット留めを思わせるビスモチーフが印象的だが、その意匠は新作のアイウエアにおいても踏襲された。

 無類の平和主義者であり、篤志家でもあったサントス・デュモンは、空がいつまでも自由の象徴であり続けることを望んだ。サントス ドゥ カルティエのアイウエアから、冒険家のピュアな精神に思いを巡らすのもわるくないのではないだろうか。

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※価格はすべて税抜。