やってはいけない3つのことを
しゃかりきにやっているリーダーたち

 では、人間が仕事の「主」となる「人・仕事関係」への改革のためには、具体的にどうすべきなのか。

 リーダーが部下に対して、何かを付け足すのではなく、やっていることの多くをやめねばならない。「足し算」ではなく「引き算」をすることだ。

 企業の中では、リーダーが部下に、(1)部下に嫌われない努力、(2)無用の教え、無用の指示、無用の世話焼き、(3)部下の心の操作、というやってはならない3つのことを良かれと思ってしゃかりきになってやっている。それによって部下たちは、自身が有する力を総動員せずともよくなってしまっているのだ。

 つまり、リーダーが、わざわざ手間暇をかけて、その意図とは逆に、部下の「仕事力」を抑え込んでいるということである。

 それをやり続けているリーダーを、私は、本来やるべきことの逆を3つやっているということから、「三逆リーダー」と呼んでいる。日本の企業内は、そうした「三逆リーダー」の連鎖組織になっている。

 リーダーが部下に対する「三逆」から脱却することによって、前述したように数ヵ月から1年にして、部下の「仕事力」が「1.5倍、2倍、3倍」になりうることは、既にありありと実証されているのだ(実証データについては、「組革研」のHPを参照いただきたい)。

「働き方改革」「人づくり革命」「生産性革命」を貫く根幹は、「人・仕事関係」の改革、すなわち「リーダーのあり方改革」をおいてほかにはない。この根幹なくしては、それらは看板倒れに終わる。私はそう確信している。

 わが国にも、優れた企業経営者がおり、同じく学者やジャーナリストもいる。その人たちが、人間にとって、社会にとって、経済にとって、国にとって、これほど本質的かつ重要な大問題が目の前に横たわっていることに、なんで気がつかないのか、思い至らないのか、私には不思議でならない。