この2日前の5月31日、大阪地検は、森友学園への国有地の大幅値引き売却に関する背任や虚偽有印公文書作成などで告発されていた全ての容疑について、前理財局長の佐川宣寿氏ら告発された38人全員を不起訴処分とした、と発表した。

 川柳は、不起訴処分にした検察に対する国民の一般的な気分を示したものといってよかった。

 一方で検察側も国民の期待を肌で感じていた。「不起訴の理由」を説明する記者会見を開いたのも国民の関心の高さを意識してのことだ。

「今回の事案が社会的な批判の対象となっていることは承知している。だが、犯罪にあたるかどうかは慎重に考えざるを得ない」。大阪地検の山本真千子特捜部長がまず言及したのは「本件についての検察のスタンス」。不起訴への釈明ともとれるものだった。 

 この1年数ヵ月、国会やメディアで追及されてきた森友問題の「疑惑」は次のようなものだ。

 財務省近畿財務局は、国交省大阪航空局が管理する大阪府豊中市の国有地を、当初の鑑定価格9億5300万円から8億2000万円も値引きして森友学園に払い下げていた。

 籠池泰典理事長(当時)の民族主義的教育方針に共鳴した安倍首相の昭恵夫人が、学園がこの土地に建設予定の小学校の名誉校長を一時、務めており、値引きの背景に夫人の何らかの関与があったのではないか、との疑いが浮上した。

 籠池氏に対する国会での証人喚問で、夫人付の政府職員が籠池氏の依頼で財務省に土地購入を前提とした土地の賃借料を安くできないか問い合わせていたことも判明。当時の佐川宣寿理財局長(その後、国税庁長官で辞職)は「(学園側との)面会等の記録は廃棄した」と明言し、多くの人を驚かせた。

 財務省は、佐川氏の国会答弁に合わせ、取引に関する14件の決裁文書を改ざんして国会に提出したりしていたと認め、佐川氏の国会答弁などとの整合性をとることが目的だったと説明した。決裁文書からは、首相夫人や政治家名、「本件の特殊性」などの記述が削除されていた。

立件には当初から慎重
財務局職員の背任立件の可能性探る

 大阪地検は17年7月末に籠池夫妻を、学園の小学校建設に対する国の補助金をだまし取った詐欺容疑で逮捕。幼稚園運営への大阪府、市の補助金も合わせ計1億7600万円をだまし取ったとする詐欺などの罪で起訴した。