もしかすると、新人から「上司の言いなりになっている情けない先輩」「あの人は何も考えずに上司に従っているだけ」と見られているかもしれません。「あの先輩を見ているとイライラする」「あの人が仕事をホイホイ受けるから、こっちにしわ寄せがきて余計な残業が増えてしまう」と面倒くさく感じる後輩もいるでしょう。

 逆に、上司に向かって「その仕事、無駄じゃないですか?」と疑問を呈する先輩は、後輩にとっては「現場の仕事のことを何も知らない上司に、言うべきことをきちんと言ってくれる」「頼りになる先輩」に映りがちです。

 つまり、上司にとっての「面倒くさい部下」は後輩から見れば「頼れる先輩」となり、上司にとっての「かわいい部下」は後輩から見ると「面倒くさい先輩」になる可能性があるのです。

なぜ上司を面倒くさがる
部下が成長しにくいのか

 このように立場が違えば、まったく見ているものは違うと言えます。

 これは立場だけではありません。どの人がつきあいやすい人であるか、どの人が面倒くさい人であるかは、受け止める側の価値観によっても異なります。

 例えば、仕事の誠実さや完成度を重視するタイプが上司である場合、取引先に送ろうとした書類に「待った」を掛け、完成度を高めるための修正を要求するかもしれません。

 部下も同様に、仕事の誠実さや完成度にこだわるタイプであれば、修正要求に納得し、面倒くさがらずに工夫しながら改善するでしょう。

「こんなに細部までちゃんとチェックしてくれるなんて、この人は信頼できる上司だな」

 と感じるかもしれません。 

 ところが部下のほうが、仕事の完成度よりも、スピードや効率、コスパに重きを置くという価値観の持ち主だと、どうでしょうか。 

「せっかく終わったと思ったら、やり直しかよ」
「別にこの書類、ここまで完成度を高める必要はないだろう。時間のムダ」
「あーあ、この人って本当に面倒くさい上司だな」

 と思うはずです。

 このように、どのような部下が良い上司で、どのような上司が面倒くさい上司であるかは、受け止める側の価値観によって大きく変わってきます。

 ここで気をつけたいのは、上記のようなケースには、受け止める部下側の価値観の問題だけではなく、部下側の向上心やキャパシティの問題も潜んでいることです。