事業の根幹は
「人は変われる。を証明する」こと

 ここからは私の考察になりますが、ライザップのアセットをベルマーレに“ずらし”たとき、例えば次のような可能性が見えてくるのではないかと思います。

 一つは、競技人口の多いランニング分野への進出はどうでしょう。ベルマーレはJリーグでもトップクラスのスプリント回数と走行距離を誇る、「走る」ことを信条としたチーム。そこから得られたデータを分析して「走力向上の方程式」を導き出し、「プログラム化により、その手法に精通したトレーナーを育成」、さらに「強力なリーダーシップによるモチベーション」を掛け合わせることで、「目標タイムを切るためのランニングトレーニング」を新たな事業に加えることは可能かもしれません。

 また「チーム」が分析対象に追加されることで、これまでの「個人」を対象としたサービスから、「団体」を対象としたサービスへと展開させる道も開けるでしょう。そのほかにも、子どもたちが参加するスクールやユースチームを足掛かりに、「大人」のみならず「子ども」の運動能力を伸ばす事業もあり得るのではないでしょうか。

 ライザップの今後について、瀬戸氏は言います。

「『人は変われる。を証明する』ことが、我々の事業の根幹です。ライザップのトレーニングジムを軸にしながら、そこから増殖していくイメージかなと思います。『こうすれば人って変われるんだな』『自信がつくんだな』と、ライザップの存在があったからそう思えた、というところまで持っていきたい。社会的な価値観であったり カルチャーに対して影響を与えられるぐらいの企業を目指したいんです。だから、そういう意味では、まだ達成度は1%にも満たないですね」

 ベルマーレのみならず、アパレルや雑貨、食品、メディアなど多分野の企業を次々と買収してきたライザップはどんな“ずらし”を見せていくのか。同社の今後の事業展開を、そんな視点で追いかけてみるのも面白いかもしれません。