小室 社員の皆さんにもっともっとインプットをしてもらって、太郎さんをアイディアで負かしてもらいたいという感じでしょうか。

大塚 そうしたら、本当に強い会社になると思います。20代後半のころ、僕に「いろいろな人と会って話を聞くのも仕事のうちなんだよ」とアドバイスしてくださった役員の方がいて、それ以降、いろいろな人と会ってご飯を食べるようになったんです。たぶん、その後3~4年で会食を1000回くらいしたと思います。

1000回も会食すると
どんな人とも会えるようになる

小室 それまでは、あまり外に出なかった?

大塚 いまだに内向的な人間ですし、実は人と会うのは苦手なんですよ。

小室 気が合いますね(笑)。

大塚 でも1000回も会食すると、結構どんな人でも会えるようになるんです。最初は「背伸びするな」とか言われていたけど、背伸びし続けていたら、だんだん背が釣り合ってくる、みたいな。

小室 意識して外に出ていると、外に出て行く心理的なハードルが下がっていきますよね。そうやって社員もどんどん外に出ていくようになり、そのぶんだけインプットが行われれば、社内は様々な価値観によってもたらされるアイディアの宝庫になりますね。
 
 大塚倉庫さんと言えば、2016年、私が講演させていただいた翌日に「最終退出表」をつくられたのが印象的でした。全国の各営業所で最後にオフィスを退出する人がイントラネット上に名前を入力しなくてはならない制度でしたよね。こうした新制度はどれもすんなり導入できたのですか。

大塚 倉庫業の人って、基本的にコツコツ積み上げていくタイプの人が多いので、あまり強硬に反対しないんです。ただ、当然ながら「今までの作業手順を変えたくない」という部分は確かにあります。

 今まで紙でやっていたピッキング(伝票や指示書に従って倉庫などで商品や製品を取り出していくこと)をiPadでデジタル化したときに、「指が太いから触れない」「操作できない」といったリアクションがありました。