小室 従業員にとっては、仕事のしやすい環境に変わりますね。

大塚 新しい取引先が1社加わると、工場でいえば生産品目が1品目増えるみたいな感じになる。売り上げが少ないのに、10品目も20品目も作れと言われたら、結構きついんです。だからきちんと絞りこむことが大事。

小室 そういう意思決定をしてくれることが、社員の生産性にも大きな影響を与えると思います。では最後に、働き方改革に取り組むべきか否か迷っている経営者に何かアドバイスをお願いします。

大塚 今、僕らが進めていることを元に戻そうと思ったら、多分従業員から一揆が起こると思うんです。つまり、1回始めてしまえば定着して元には戻れない。

 定着する上で、大きなポイントは、上の人が口で言うだけじゃなくて、実行すること。経営者が率先して実行することに尽きるんじゃないでしょうか。取り組みが定着すれば、会社の魅力がアップしますし、いい人材に恵まれたり、従業員が辞めなくなったりということが起きて、それを強みに転換できます。

実は倉庫現場で働く女性も多い
働き方改革は人材戦略に直結

小室 採用の状況は変わりましたか。

大塚 変わりましたね。たとえば女子学生で「物流業界に興味がある」「物流が第一志望」という人は、なかなかいません。そんな中でも、「うちの働き方や社風を聞いて物流業界の見方がすごく変わった」と言って、志望してくれる優秀な女子学生さんが多くなりました。

 内勤の女性も増えていますが、実は倉庫現場も結構女性が多いんですよ。昔は筋力頼みで荷物を積んでいるイメージだったけれど、今はほとんどフォークリフトを使っての作業だから、技術が高くて活躍している女性もすごく多いんです。

小室 ますます大塚倉庫さんの将来が楽しみですね。太郎さんが南極の次はどこに冒険に行くのかも楽しみです(笑)。今日は、貴重なお話をありがとうございました。


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