会議は「最初と最後に発言した人」がトクをする

自分の評価を上げるためには、上司が陥りがちな「評価エラー」を逆手にとるのが早道。評価エラーとは、「管理職がやってはいけない評価法」のこと。たとえば「自分と出身地が同じ部下をひいき目に見てしまう」というのは、典型的な評価エラー。人間は感情の動物であり、評価エラーをなくすことは不可能なのだ。
人事・教育コンサルタントの森中謙介氏が、新著『社内評価の強化書』の中から、上司の評価エラーを利用した出世の法則を伝授する。今回取り上げる評価エラーは「遠近誤差」。上司は、終わりよければすべてよしで判断する傾向にある。

上司は最近の記憶だけで
人事評価しようとする

 あなたが会社の管理職だったとします。4月から9月までの半年間について部下の評価を行なうよう会社から指示がありました。その際の注意点として、次のものが挙げられたとします。

(1)評価をするのは2018年4月1日から9月30日までの期間のみとすること

(2)評価をする際は半年間の仕事ぶりを総合的に判断すること。また、半年間の仕事ぶりについて具体的な事実をもとに客観的な評価を行なうこと

 いかがでしょうか? 困った……となるのではないでしょうか?

 その理由は「評価期間」にあります。ここ最近の部下の仕事ぶりは思い出せたとしても、よほどしっかりメモでも取っていたのでない限り、半年前のことまで、はっきり覚えていません。したがって、ここ最近の記憶に頼って部下の評価をするしかありません。

 これが「遠近誤差」の法則です。