ソニーは、結局これを拒否したのだが、2016年7月の日経新聞によれば、同社の吉田憲一郎副社長(当時、現社長)が、「エンターテインメント事業を分離上場せよという提案はよかったと思う。社内に緊張感が醸成され、エンタメ事業を完全所有することが株主価値の向上につながるとの結論に至ったからだ」と語ったと報じている。

今年は「株主提案元年」
注目される採決の行方

 こうした視点から見ると、現在、行われている株主提案はどうだろうか。

 前述のオアシスは、片倉工業に対して低ROE事業からの撤退を求めると同時に、配当の引き上げを求めているほか、アルプス電気との経営統合計画を打ち出しているアルパインにも株式交換比率が低すぎるとして計画の見直しと、剰余金を分配すべきと求めている。また、英アセット・バリュー・インベスターズは、TBSが保有する政策保有株の1つ、約650億円相当の東京エレクトロン株を株主に還元するよう求めている。

 今年の株主総会では、株主提案が多く出されて、「株主提案元年」ともいわれる。今後の日本の資本市場を占う意味で、短期の利益を追求するファンド勢が求める配当引き上げなどに理があるのか、はたまた長期にわたる事業継続や企業価値向上を追求する経営者側が株主提案を退けるのか、あるいは、誰もが納得するようなロジックを掲げた第三者の提案が可決されるのか、注目される。