元非合法賭博関係者が語る
日本版カジノの怪しい見込み客

 日本のカジノ法案がモデルとしているのは、シンガポールだ。シンガポールでは、2005年に法整備を行い、外国人を主対象とした統合リゾートの中にカジノを設置した。

「日本にカジノをつくって、海外から観光客を呼び込む計画と聞いていますが、カジノはすでに世界中にたくさんあるわけです。日本にわざわざ来るでしょうか。カジノが好きな外国人観光客は、最初から香港やラスベガスやシンガポールに行くんじゃないですか」(ケチャさん)

 もともと日本に魅力を感じ、何回も来訪している外国人観光客は、日本にカジノがあれば行く可能性があるかもしれない。

「でも、日本に旅行に来ている人が、日本にカジノがあったら行くかどうかは調査されているのでしょうか。そんな調査結果は見たことがないです。たいていは、京都・富士山・ショッピングといったところではないでしょうか。カジノの需要があるとは、思えないんです。民間が勝手にカジノをつくって、思い通りの利益が上げられなくて、勝手につぶれるのならいいんですが、国のお金、税金をつぎ込むなんて、とんでもない話ですよ」(ケチャさん)

 背景には、ギャンブル自体が斜陽産業化していることもある。パチンコ店もパチンコ人口も、減少が続いている。地方競馬や競輪場も、休止・廃止が続いている。

「結局、俺たちオッサンみたいな『男の娯楽は、飲む・打つ・買う』の時代じゃないんですよ。若い人のレジャーは多様化していますから」(ケチャさん)

 加えて、若い人々はギャンブルに消費しにくくなっている。正社員になれても将来への不安から自由になれるわけではなく、不安定就労が一般的になっている現在、若い人々は「ギャンブルにお金を遣おう」とは考えにくいだろう。格差と貧困の拡大は、ギャンブルからもすでに見込み客を奪っているのかもしれない。