つかまり立ちした長男が転倒して脳を損傷。それが虐待と疑われたのです。
写真はイメージです

赤ちゃんがコルクの床で転倒
意識を失い、全身蒼白に

「このくらいが一番かわいいわねぇ、あっという間に大きくなっちゃうから」

 生後11ヵ月の長男と散歩している最中よく、年配の女性から声をかけられる。確かに、赤ちゃんはかわいい。ただ、3歳の長女に対しても、同じように声をかけられる。

 (子どもは一体、何歳ぐらいまでが“一番かわいい”のかしら)

 ついほほ笑んでしまう亜佐美さん(仮名・29歳)は、夫婦と子ども2人の4人家族。共働きでの子育てはそれなりに大変だが、全く苦ではない。夜、安心しきって眠る我が子の寝顔を見るたび、幸せを実感するのだった。

 そんな日々が暗転したのは、ある土曜日の朝。土日休みの亜佐美さんは、畳敷きの居間で、子どもたちと一緒に朝食を終え、のんびりとくつろいでいた。夫は平日休みの職場なので、既に出勤済みだ。

 ひと月ほど前からつかまり立ちを始め、伝い歩きも始めていた長男は、この日もカラーボックスにつかまって立ち上がり、好奇心いっぱいに奥をのぞきこんでいた。転倒によるケガを防ぐため、畳の上にはコルクマットも敷いてある。長女が生まれた頃からの安全対策だ。長男は2~3日前から鼻風邪をひいており、呼吸がちょっとつらそうだ。見守っていると、炊き立てのご飯にも似た、あの臭いが亜佐美さんの鼻を突いた。

「むむむ、臭うぞ。さてはおぬし、ウンコ・ブリブリザエモンですな」

 おどけた調子で声をかけると、そばにいた長女がケタケタ笑った。子どもたちに背を向け、部屋の隅に替えのオムツを取りに行った時だった。

 ゴンッ。