出資やコードシェア、技術や人員の連携も含めて多面的に検討するなかで、主に3つの点が議題になりそうだ。ひとつが運航ノウハウのシェア。ジェットスターは本国オーストラリアからボーイングB787機を使って中長距離路線を運航している。ハワイ、バリ島、ベトナム、タイ、シンガポールの各便で利益を上げており、成功ノウハウを提供できるという。

 二つ目がパイロットの融通だ。航空業界は世界的なパイロット不足。JALは従来、新卒者を社内養成することを重視していたが、新LCCでは即戦力となる経験者採用を主軸にし、かつて整理解雇した人材にも門戸を広げるほど。ジェットスターグループが抱える人材を活用できれば万々歳である。

 そして3つ目が乗り継ぎの連携だ。新LCCで海外から来た旅行者をJJPの国内線にうまく誘導することができれば、双方に大きなメリットがあり、乗客にとっても利便性が高まる。日本の地方に住む人が、手軽に海外に行く機会を増やすことにもつながる。

命運握る“らしくない”社長

 こうした協議が進む一方、新LCCを率いる社長に、JALでマイレージ事業部長を務めた西田真吾氏が抜擢された。同氏を選んだ理由について赤坂祐二社長は「多様な経歴と明るいキャラクター、他の社員にはない一味違った発想力がある」と評価。JALが枠組みを作るのではなくできるだけ白紙のまま西田氏に託すことで、フルサービスキャリアとは全く異なる新LCCを成功させる狙いがあるという。“JALっぽくない人物”である西田氏なら協業相手からのさまざまな提案も柔軟に捉えることができそうだ。

(週刊ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)